彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)




「けっ!!気に入らねぇー!」




そんなモニカちゃんに、彼女の隣の席の人が文句を言う。





「声かけられたモニカはわかるが、なんで烈司と伊織までお呼びがかかるんだよ!?」

「俺の感じゃ、お前みたいな肉食系はNGだったみたいだぞー?」

「俺でも、伊勢エビの殻ごと食うような相手に声はかけん。」

「くっそ!俺様の良さを見た目で決めやがってぇ~リアルで確かめもしねぇで決めつけやがってぇ~!?モニカ、連絡するなよ!」

「しないさ。」

「え!?しないんですか?」





モニカちゃんの返事を思わず聞き返す。





「連絡しないのに、連絡先を聞いたんですか!?」

「言ったじゃん、凛ちゃん?『字のキレイな女性が良い』って。これ見て、そう思う?」





個人情報の紙が書かれた紙を見せながら聞いてくるお姉さん。

でも・・・





「少なくとも、右側に書いた女性の字は達筆ですよ?」



お習字でもしているのか、キレイな字である。





「だから凛ちゃんは可愛いんだよねぇー♪」





そんな私に、ご機嫌な顔でモニカちゃんは言った。





「俺から『連絡する』なんて、『一言も言ってない』じゃないか?」

「あ!?」


そういうこと!?



(そういう言葉の駆け引きだった!?)





「モニカちゃん、頭よすぎます!」

「しー!声が大きい・・・・勝手に撮影してきた子達もこっちに来そうだから、早く食っちまおうぜ・・・・?」

「うっ。」





パチンとウィンクされ、ドキッとする。

芸能人のカッコいいシーンを見る時みたいなドキドキ。

余計なお世話だとわかっているけど・・・・



(本当にもったいないな・・・・)



〔★凛は残念さを感じている★〕