「30分以内に出さないと、普通の人間は酸欠で命が危なくなる。」
「貴様!!」
「勝手に動くなよ!俺がスマホで操作すれば、爆破する。」
「な!?」
(また爆弾!?)
それで前に出かけた足が止まる。
「リングに上がれ。」
動こうとして動けなくなった私に、軒猿は冷たい声で言う。
「リング、だと。」
「そうだ。お前には、俺のことを知られちまったからな~」
「そんなに俺の賞金がほしいか!?」
「お前にならわかるはずだ。」
「なにがわかるか!?人質を使ってまで、俺をおびき寄せやがって!」
「『俺』、か。激高すると主語が変わるんだったな?」
「涼子を返せ!」
「条件次第だ。」
「俺に大人しくつかまれというのか!?金の亡者め!」
「半分はな。」
「半分?」
「俺とタイマンしよう、凛道君。」
そう言うと、胸元のファスナーをゆっくりと下ろす軒猿。
「なぁ・・・しよう♪」
「え!?」
それで再び驚かされた。
「む、胸がある!?」
てっきり詰め物かと思ったけど、違う。
素肌からも盛り上がっているふくらみは、同性から見ても本物としか思えない脂肪の塊。
「どーよ?なかなかの、美乳だろう?」
おへそまで下ろすと、ファスナーから手を離しながら笑う忍者。
「目の保養になったよな?」
「なっ!?」
「となれば、サービスのお礼はバトルで良いぜ。戦ってくれるよな?」
「冗談じゃない!俺は男としか戦えない。」
「戦えるさ。僕は『まだ』どちらか決めてない。中立なんだぜ?」
「は?」
(中立??)
相手の言っている言葉の意味がわからない。
そんな私に、軒猿は更なる言葉を発する。
「プロフィール、なんて書いてあった?軒猿の時は男の姿が多かったから、男で表示されてるはずだろう。」
「え?」
「それとも・・・その口ぶりから言えば、女だったか?そーいや、スケベジジイに乳をもませたことあるからなぁ~」
「・・・・・・・何を言ってるんですか?」
「え?」
わからなくて聞き返す。
それで相手も、ん?という顔になる。
かみあわない話。
「何って、何が?」
「いや、質問に質問で返さないでくださいよ。男で表示されてるとか、女だったかって・・・何の話?」
「えっ!?」
再度聞き返せば、ギョッとされる。
そのあとで、ムスッとされてニラまれる。


