彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






指定されたのは、廃墟としては有名なオフィスビル。

幽霊が出るから空きテナントのままだというけど、烈司さんが言うには『悪い組織がダミー会社として使ってるだけDAYO~♪』というので、世の中は悪い奴が多いと思う。



〔★生きている人間の方が怖いというお話★〕





バウンウウ~~~~~~ン・・・・!





ゆっくりとバイクを止め、鍵を抜く。

単車から降りて、周囲を見て歩く。





「入口は正面玄関しかないか・・・・」





外から見る限り、各階ごとにワンフロア。

慎重に、警戒しながら中に入って行く。

真っ先に目に飛び込んできたのはエレベーター。





「使えるかな?」





押してみるが、点滅さえしない。





「無理か・・・・」







(仮に動いたとしても、閉じ込められそうだから使わないけどね・・・ただ・・・)






「どんなわなを仕掛けてるかわからないからな・・・軒猿は。」





人を襲ってきたと思えば助けたり、助けたと思ったら涼子ちゃんを使って『凛道蓮』を呼び出す男。





(目的は、私にかかってるお金だってわかってるんだけどね・・・・)





そんな思いで、5階建ての階段を登る。

1階、2階と、上へ向かうのだが・・・・・





「おかしい・・・どの部屋にもいない・・・」





3度目の正直で、オフィスビルのドアを開ける。

しかし、段ボールやいすが無造作に転がっているだけで、どこにも人はいない。

3階まで来て、見通しの良い部屋しかない。





ピヨピヨピー♪





携帯が鳴ったのは、3階のオフィスから出ようとした時だった。

表示を見て、全身に電流みたいなものが走る。





(涼子ちゃんからだ!)





ということは――――――――――!?





「関山つなぐか!?」

〈軒猿って呼んでよ、4代目。〉

「どこにいる!?」

〈4階だよ。〉





急いで、3階のオフィスから飛び出す。





一気に階段を駆け上がる。






ダンダンダンダン!




私の足音が建物中に響き渡るようだった。

駆け上がった先に見つけたドアに手をやる。