彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「もしもし、涼子ちゃん?」

〈もしもし、涼子ちゃんじゃないよ?〉

「え?」





涼子ちゃんだと思って出たら。





「涼子ちゃん・・・?」

〈だーかーらー、涼子ちゃんないよ。〉





セリフもだけど、本人ではない声が耳に響く。





「誰だ!?」

〈軒猿。〉





反射的に叫んだ私とは対照的に、落ち着いた口調で相手は名乗る。

その名前に、体が熱くなる。





「軒猿だと!?」

〈こんにちは、凛道蓮君。会場でのパーティー以来だね。腕の具合はどうだい?〉

「おかげ様で回復し・・・って、そうじゃなくて!!なぜ、僕に薬を渡す気になったんだ?」

〈質問の優先順位が違うんじゃないかな~?〉





そう言われてハッとする。





「そうだった!!なぜ、お前が涼子ちゃんの携帯に!?」

〈言わなくてもわかるでしょう?〉

「さらったのか!?」



考えられる可能性を口にする。



〈嫌だな~預かってるだけだよ。〉



私の問いに、とんちの利いた返事を返す忍者。



「ヤッパリ誘拐じゃないか!?何が目的だ!?」

〈わかってるくせに~44,444,444円♪〉

「人を値段で呼ぶな!関山つなぐ!」

〈なんだよ、もうバレたのか。〉



不意打ちを込めて本名を言ってみたけど、相手は動じない。




〈さすが、龍星軍の初代の情報網は早いな。〉

「現役メンバーと言ってもらいたいですね!?」



感心する忍者に、悔しい思いで言い返す。



「瑞希お兄ちゃんを、女の人だと間違えた『くノ一』よりはしっかりしてるぞ!」

〈あぁ、あれにも気づいたの?〉

「それだけじゃないだろう!よくも、海に引きずり込もうとしたなぁ~!?」

〈何の話?知らないなぁ~〉



のらりくらりかわす相手に、ますます体があつくなる。