彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「良心。」

〈良心?〉

「うん、良心。涼子ちゃんがいるから、イタズラ程度で収めておこうって思える。キレイで清らかな水のような、心地よい風のような・・・・一緒にいると居心地がいいんだ。ホッとする感じかな?」

〈そんなこと・・・・・・初めて言われた。〉

「そうなの?周りは見る目ないね?」

〈凛君が変わってるのよ!私、自分でもわかってる。生真面目すぎて、クラスの男子にも・・・野球部の男子にもよく『ヨーグルトにバナナ入れて食べますか?』とか、わけのわからないことをしつこく聞かれて~〉

「カンナさんに頼んでやめるように言ってもらうよ。」

〈あ、違うよ!告げ口する気はなくて~〉

「嫌がるのに聞いてくるのは、いじめのきっかけにもなる。部活はともかく、どこにでもあほな男子はいるね~」

〈凛君・・・・〉

「あ、なんか僕ばっかりしゃべってごめんね。時間、平気だった?」

〈あ・・・いけない、休憩時間が終わっちゃう。〉

「え?もしかして、夏期講習中?」

〈そうなの。志望校対策、早めにしておきたいから・・・〉

「そこって、涼子ちゃんが行きたい学校なの?」

〈うん・・・だから、頑張れるって言うか・・・〉

「うらやましいな。」





この子は自分で決めたレールを歩ける。

それなのに私は・・・・





「俺、涼子を応援してるよ。」

〈り、凛君!?〉

「じゃあ、切るね。」

〈待って!!〉





携帯を耳から話そうとしたら叫ばれる。





〈私、私ね、凛君!〉

「なに、涼子ちゃん?」

〈私・・・・凛君のお友達になりたい!〉

「涼子ちゃん!?」

〈お友達でいいから側にいたい!お友達に・・・なってくれますか・・・?〉





控えめで、謙虚に、奥ゆかしく彼女は言う。

そんな相手への返事は決まってる。





「僕らはもう友達だよ、涼子ちゃん。」





自分とどっかダブルこの子だけは、幸せであってほしい。





「これからも友達として仲良くしてください、小林涼子ちゃん。」

〈はい・・・喜んで・・・!〉

「涼子ちゃんさえよければ、僕はそれ以上の関係を望みますけどね。」

〈え?それってどういう・・・〉





友達もいいけど、親友も捨てがたい。

だけど―――――――





「独り言です。」




欲張っちゃダメだよね?



今だって、カンナさんという親友が側にいてくれる。