「だめだよ、涼子ちゃん。良い人そうに見えても、悪は悪なんだ。ヤンキーには気をつけなきゃダメだよ?」
〈凛君がそう言ったら、説得力がないよ?〉
「だからこそ言うんだよ。でもね・・・これだけは信じてほしい。そんな僕だからこそ・・・・・小林涼子ちゃんのこと、大切に思ってるんだ。」
〈え?〉
「涼子ちゃんを見てると、ホッとするんだ。」
〈ホッとする・・・・?〉
「うん。なくしてしまったものが戻ってきたみたいで・・・だけど僕は、もともとそれを持ってはいなかった。」
いじめられる前の時、普通に友達と付き合っていた頃の懐かしさと、彼女達からは得られなかった信頼感を涼子ちゃんからは得られる。
「きっと、僕にはないものを涼子ちゃんが持ってるから、君のことが好きなんだと思う。」
〈えっ・・・・!?〉
「だから・・・・もし、涼子ちゃんが嫌じゃなきゃ、これからも付き合ってほしい・・・その友達からでいいから・・・」
〈り、ん、くん・・・・!?〉
「あははは。とはいえ、僕の中ではもう、涼子ちゃんは友達のつもりでいるんだけどね・・・」
〈・・・・!!?〉
その言葉を最後に、電話口の彼女が黙る。
(いきなりすぎたかな?)
もしかして、彼女にとっては迷惑だったかな・・・・
うん、私が逆の立場だったら困るかも。
いやいや。それが瑞希お兄ちゃんだったら、喜んで友達になるね!それ以上も求めるね!
現に友達以上だもん。
〔★しかし、恋愛対象外だ★〕
〈・・・・・の?〉
「え?なに?」
聞き取れない声で、涼子ちゃんがつぶやく。
〈私に・・・・ヘアピンをくれたのは、友達としてだったの・・・?〉
「うん、そうですよ?」
〈顔見知りへのお礼とリップサービスじゃなかったの!?〉
「はあ??そんなわけないでしょ!?勝手に決めちゃってるけど、僕の中では涼子ちゃんは大事な友達だし、ヘアピンだって、涼子ちゃんのイメージに合わせて・・・」
〈高千穂さんと一之瀬さんも?〉
「そうですよ。カンナさんは親友だし、ますみちゃんは手のかかる妹みたいで放っておけないし・・・」
〈私は?〉
「え?」
〈凛君からしたら、私は・・・・・どんな存在?〉
どんなって・・・・
一瞬考えたけど、答えはあっさり出てきた。


