翌日、奇跡は起きた。





「う、腕が動く!!」

「マジか凛!?」

「はい、瑞希お兄ちゃん!!」





右手をグーチョキパーして、動くことを伝える。

前夜にあったクルーザーでの武道会・・・じゃなくて舞踏会から一夜明けた今日。

私が日帰りするはずだった部屋を、旅館を、獅子島さんが改めて宿泊契約をしてくれた。

おかげで、無料券を持っていないヤマトを含め、全員が一泊することが出来た。

幸運にも、瑞希お兄ちゃんと同室になれた私は、目が覚めて知ったことを即座に彼に伝えて今にいたる。





「凛たん、腕が動くって!?」

「凛ちゃん、右手が復活したんですって!?」

「ほぉ・・・本物だったか。」

「わははははは!」

「よかったやーん♪うははは!」





瑞希お兄ちゃんが呼んだ内線で、かけつけてくれた龍星軍メンバーと。





「うんうん。副作用もなさそうだね。」





私の指先や手首を触りながら、診察してくれるおじいちゃん。





「シゲ先生、凛は大丈夫ですよね?」

「腕が動くなら大丈夫だ。が、油断はいけないね、瑞希君。」





目をキラキラさせながら聞く瑞希お兄ちゃんに、紳士的に答えるシゲ先生。





「蓮君には私からの薬は飲むのをやめてもらって、2、3日様子を見てみよう。次に私が往診に来た時に違和感もなければ、もう大丈夫だよ。」

「ありがとうございます!!よかったな、凛!?」

「は、はい!ありがとうございます、シゲ先生。」





患者本人よりも嬉しそうにしてくれる好きな人に、好感度がさらに上がる。




(こうやって、好きって気持ちが増えていくのね・・・♪)



〔★凛は瑞希に惚れ直した★〕