「そうなんですか・・・?」

「も、文句あるか凛助!?勘兵衛!?」

「ああ!?その名で呼ぶなっつってんだろう!?」

「わはははは!やんのかコラ!?」

「上等だよ!本当は凛ちゃんが心配だったツンデレ野獣が!!」

「あとにせんか、馬鹿共!!」

「あの!弾き飛ばされたと聞きましたが・・・大丈夫だったんですか、瑞希お兄ちゃん?」

「ああ、烈司がキャッチしてくれたからな。」

「肩、はずれるかと思ったぜ。」





そう言いながら腕を回す占い師に、衝撃のすごさを想像して気まずくなる。




(つまり、瑞希お兄ちゃんを危険にさらしたってのかよ!?)




素直に感謝できなーい!!





(とはいえ、助けてくれたのは変わりない・・・・)





「百鬼さん。」

「あんだよ!?」

「あ、その・・・・本当に、ありがとうございました。感謝・・・してます。」





ちょっと納得できないのもあったけど、しろもどしながらお礼を言う。

これに百鬼は―――――――






「ばーか。」

「え!?」






奴にしては小さい声、世間では普通の声。

そう言い残して、ヒモばしごをつたって降りていった。





「ば・・・・」

ばかって。





あまりにも子供っぽい言い方に、瑞希お兄ちゃんの背中でボー然とする。

初めて見せる特殊な態度。





「・・・なにがいけなかったのでしょう?」

「逆だ、凛。」





ひとり言のつもりだったけど、息がかかる距離の彼には聞こえていた。

思わず見れば、ニンマリとした顔で瑞希お兄ちゃんは言った。



「めちゃくちゃ嬉しかった決まってんだろう?」

「え!?」





う、嬉しかった?

(あの野獣が??)





「どうした、皇助ちゃ~ん♪顔真っ赤で、にやけてんぞー!?」

「ぶっ殺すぞ、ナンパやろうぉ!!!?」





視界から見えない人達の会話に、それが事実だと確信する。

そう思ったら、こっちまで顔が熱くなった。





「そんな顔するな、凛♪やけるぞ~」

「か、からかわないでください!」

「凛をおとりにしたとは言え・・・・俺らみんな、心配してたんだからな?」

「す、すみません・・・」

「片腕だから、てっきり、俺らに相談すると思ったのに・・・1人で突撃しやがって・・・」

「ご、ごめんなさい。」

「そう思うならするんじゃねぇーぞ?言っても無駄そうだけど~」

「そ、そんなぁ~」

「スキあり。」

「モゴ!?」




抗議しようと口を開けたら、何かが口内に入ってくる。