彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






好きな人が身に着けていたものなら、身に着けたいって思うのは乙女心じゃない?





「つーか、グラサンなら、五十嵐から借りてくればよかったのになぁ~たくさん持ってるんじゃねぇーの?」





そう言って笑いながら、私をからかう姿も、すてき・・・♪





「いや、ホントそうですね~」





渡されたサングラスをかければ言われた。





「けど、凛は意外だったな~」

「え?」

「それ。」





私を指さしながら瑞希お兄ちゃんは言う。






「凛、水着、着なかったからよ~」






胸キュン100%の笑顔で言った。







「サーフィン用のスーツで来るとは。波乗り得意なのか?」

「あ、あははははは!気がついたら、着て来ちゃってましたぁ~」






そうなんです。

私が女の子の体を隠すのに選んだ方法は―――――






(サラシを巻いた上から、サーファーさんが着るスーツを着ること!!)






これなら、全身タイツみたいに身体を隠せるもんねん!!





〔★いろいろツッコミどころが多い★〕






(ヤマトに相談してよかった。)





彼の勧めで、サーファー用の水着を着た。

これなら喉も、スーツで隠れてる。

海で一番大事な酸素を補給する場所を隠す必要がないから、呼吸もしやすいと・・・。





(ありがとう、ヤマト!なんだかんだで、私のこと考えてくれてる良い子だよね・・・)





〔★持つべきものは友達だ★〕





「凛にサーフィンの趣味があるとはなぁ~よくするのか?」

「趣味じゃないです。未経験です。」

「えっ!?それなのに、着てきたのか!?」

「え!?えーと、やりたい気持ちが抑えきれませんでしたので~。」

「ぷっ!あはははは!ホント、面白い奴だなぁ~」





爆笑しながら頭をなでられる。





「じゃあ、俺が教えてやるよ。」

「え!?瑞希お兄ちゃん出来るんですか!?」

「まぁな。ほら、行こうぜ。」





そう言いなら、私の手を引っ張る愛しい人。





「は・・・はい・・・!」





これで2人きりで、マンツーマンで~





「あーん、ずるいわよみーちゃん!」

「サーフィンなら俺もできるぜ、凛たん。」

「短時間で波乗りのコツを教えてやろう、凛道。」

「わはははは!ついでに、サーフィンガールナンパしようぜ~」

「みなさん!?」




全員ついてきた。

こうして、2人きりの夢は、あっさりと終了した



〔★短い夢だった★〕