彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)







「あっ!?凛!目を閉じろ!!」

「へ?」





ポーン!





折れた刀が投げ出されるのに合わせて、忍者が投げ出した腕の袖から丸い物体が飛び出す。

それが床に落ちていく。

途端に瑞希お兄ちゃんは、軒猿に背を向け、一目散に私達の側に駆け寄って飛びつく。

軒猿に背を向けて、私達を抱きしめて、目を閉じた。

そこまでの動きがスローモーションでうつる。

抱き寄せられ、瑞希お兄ちゃんはこんな時でも良いにおいだと思った瞬間。







―――――――――――――――カッ!!



「きゃああああああああ!?」

「うわ!?おにいちゃ、まぶし・・・!」

「めくらましだ!!」






店内が光であふれる。

太陽を直視したような光の強さ。






「あははははは♪またねー♪」

ガッシャーン!






そんな声に合わせ、ガラスが割れる音が響く。

目を開けてみるが、上手く見えない。

それは私以外も。





「どうなってるの!?何も見えない!?」

「うわあああ!目が!目が!」

「まぶしいいたいよぉ!」




店内も、突然の光線弾に悲鳴が飛び交う。

視えないと叫ぶ人達の声であふれる。

そんな中で届いた声。





「凛、見えるか!?」




瑞希お兄ちゃんの声。

それに瞬きをしてから、むなしい気持ちで答える。





「くっ、すみません!目を閉じるタイミングが悪くて・・・・左側しか見えないです・・・」

「お嬢ちゃんは?」

「わっ・・・私は両方見えないです・・・」

「瑞希お兄ちゃんは!?」

「俺は背を向けたから、大丈夫だ!このまま、奴がぶち破った窓側から逃げるぞ!?」

「ぶち破った?」





言われて、かすれる片方の目で見れば、ガラス張りの一部に穴が開いていた。





「しっかり捕まってろよ!!」

「え!?」

「きゃあ!」





そう言うと、私と涼子ちゃんを両脇に抱える瑞希お兄ちゃん。





「待って下さい!僕は一人で」

「右手、動かないんだろう!?」

「どうしてそれを!?見てたんですか!?」

「痙攣してるのが伝わってくるんだよ!トンファーも回収してやったから、行くぞ!」

「お、恐れ入ります・・・!!」





大騒ぎする店内を、涼子ちゃんと2人、瑞希お兄ちゃんに抱えられて脱出した。