「あっ!?凛!目を閉じろ!!」
「へ?」
ポーン!
折れた刀が投げ出されるのに合わせて、忍者が投げ出した腕の袖から丸い物体が飛び出す。
それが床に落ちていく。
途端に瑞希お兄ちゃんは、軒猿に背を向け、一目散に私達の側に駆け寄って飛びつく。
軒猿に背を向けて、私達を抱きしめて、目を閉じた。
そこまでの動きがスローモーションでうつる。
抱き寄せられ、瑞希お兄ちゃんはこんな時でも良いにおいだと思った瞬間。
―――――――――――――――カッ!!
「きゃああああああああ!?」
「うわ!?おにいちゃ、まぶし・・・!」
「めくらましだ!!」
店内が光であふれる。
太陽を直視したような光の強さ。
「あははははは♪またねー♪」
ガッシャーン!
そんな声に合わせ、ガラスが割れる音が響く。
目を開けてみるが、上手く見えない。
それは私以外も。
「どうなってるの!?何も見えない!?」
「うわあああ!目が!目が!」
「まぶしいいたいよぉ!」
店内も、突然の光線弾に悲鳴が飛び交う。
視えないと叫ぶ人達の声であふれる。
そんな中で届いた声。
「凛、見えるか!?」
瑞希お兄ちゃんの声。
それに瞬きをしてから、むなしい気持ちで答える。
「くっ、すみません!目を閉じるタイミングが悪くて・・・・左側しか見えないです・・・」
「お嬢ちゃんは?」
「わっ・・・私は両方見えないです・・・」
「瑞希お兄ちゃんは!?」
「俺は背を向けたから、大丈夫だ!このまま、奴がぶち破った窓側から逃げるぞ!?」
「ぶち破った?」
言われて、かすれる片方の目で見れば、ガラス張りの一部に穴が開いていた。
「しっかり捕まってろよ!!」
「え!?」
「きゃあ!」
そう言うと、私と涼子ちゃんを両脇に抱える瑞希お兄ちゃん。
「待って下さい!僕は一人で」
「右手、動かないんだろう!?」
「どうしてそれを!?見てたんですか!?」
「痙攣してるのが伝わってくるんだよ!トンファーも回収してやったから、行くぞ!」
「お、恐れ入ります・・・!!」
大騒ぎする店内を、涼子ちゃんと2人、瑞希お兄ちゃんに抱えられて脱出した。


