夏期講習は暑苦しかった。
「努力した奴が上に行ける!!受験は戦争だ!合戦だ!!人生における節目、節目の戦いだぞっ!!」
教室内は、しっかり冷房が利いてるのに、熱いと感じるのはなぜだろう・・・・
(あーあ・・・先生も、周りも真面目モードだな・・・・まぁ、本気で受験してるんだろうな・・・)
“凛は真面目すぎるから、適当に聞くことが大事だぞ?たまには、聞き流すぐらいの軽さも持てよ?”
そうおっしゃって下さった愛する方のお言葉に従い、右から左に受け流す感じで、公私の言葉を聞く。
真面目な顔のまま、何か言うたびに小さくうなずく。
そのせいだろうか。
「話は以上だ!!みんな熱心に聞いてくれたが、そこの黄色いワンピースの子!菅原さん!!」
「は、はい!?」
「君は特に、私の言葉に耳をかたむけてくれていた!本校への入学ももちろんだが、夏期講習、君の参加を期待している!!」
「あ、ありがとうございます・・・!」
ガシッと手を握られ、熱血オーラで明るく言われた。
おかげで、教室中から注目を浴びる。
(かんべんしてよ・・・!)
凛道蓮にしても、菅原凛にしても、目立とうという気はない。
それなのに目立つってしまう自分の運勢を今日も恨む。
そんな私に、塾の人気講師は問いかける。
「ちなみに、僕の話のどこがよかったかね!?」
どこって・・・・
(うなずいていただけだから、聞いてないよ。)
どうしよー?
返事に困ったのは、ほんの5秒程度。
困りはしたけど、悩みはしない。
上手に世渡りしろと獅子島さんも言っていたので答えた。


