「だよな~俺も、普通の両親がほしかった。」
「ですね~」
「凛、もらったギフトカタログだけど、ちゃんと締め切りまでに選んで出せよ。」
「・・・・僕はいいです。瑞希お兄ちゃん達で選んでください。そうだ、烈司さんが見つけたので烈司さんにー」
「なんでそうやって、遠慮するんだよ?凛の手柄だぞ?」
「お礼がほしくてしたんじゃないんです。」
気づいたら体が勝手に動いていただけの話。
手柄も何も、考えてなかった。
それだけのこと。
それに――――――・・・・
「僕の両親、瑞希お兄ちゃんにお礼してないじゃないですか?」
「そりゃあそうだろう。寝てる凛を置いてきたからな~あったこともねぇし、礼とかいらねぇーし。つーか、それとこれは関係な――――――」
「今だから言えるんですけど!!」
好きな人の言葉を遮りながら真実を言った。
「あの人達は、瑞希お兄ちゃんにお礼をする気なんてないんです?」
「やっぱり、連れまわしたって思われてるか~」
「そうじゃないですっ!」
「凛?」
「最初は、恩人だって探そうとしてくれたんですけど、交番の防犯カメラの映像で、相手が暴走族だとわかった瞬間にやめたんです!無視して、なかったことにしたんだから!!」
ギュッ!
(恥ずかしい。)
瑞希お兄ちゃんに抱き付きながら思う。
恥ずかしい、恥ずかしい!
誰のせいで、私が家出したかも考えないで!
表面上は仲良く普通にして!
一般人と不良が関わるのは良くないからって言って!!
「悪い奴は悪いことしかできないみたいな考えしかない最低な『奴ら』なんです!!」
今だって―――――――――――――!!
「本当にごめんなさい、瑞希お兄ちゃん・・・」
暴露してしまった痛い事実。
さすがの彼も怒るだろう。
そう覚悟したのに――――――
「それが普通だぜ、凛?」
「え!?」
私の大好きな人は怒らなかった。
しがみ付く私に、変わらぬ優しい動きで髪をなでながら言う元・総長。
「ツッパリも、ヤンキーも、不良も、出来て当たり前の普通が出来ない奴ばっかりだ。それが真面目になったのを褒めるのはお人好しだって、前も言っただろう?」
「た・・・確かに言いましたが・・・・」
「普通の奴が出来事のモラル水準にやっと追いついたんだ。俺も、烈司も、モニカも、伊織も、皇助も・・・・」
子守唄のように静かに静かに彼はつぶやく。


