彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「だよな~俺も、普通の両親がほしかった。」

「ですね~」

「凛、もらったギフトカタログだけど、ちゃんと締め切りまでに選んで出せよ。」

「・・・・僕はいいです。瑞希お兄ちゃん達で選んでください。そうだ、烈司さんが見つけたので烈司さんにー」

「なんでそうやって、遠慮するんだよ?凛の手柄だぞ?」

「お礼がほしくてしたんじゃないんです。」





気づいたら体が勝手に動いていただけの話。

手柄も何も、考えてなかった。

それだけのこと。

それに――――――・・・・





「僕の両親、瑞希お兄ちゃんにお礼してないじゃないですか?」

「そりゃあそうだろう。寝てる凛を置いてきたからな~あったこともねぇし、礼とかいらねぇーし。つーか、それとこれは関係な――――――」


「今だから言えるんですけど!!」





好きな人の言葉を遮りながら真実を言った。





「あの人達は、瑞希お兄ちゃんにお礼をする気なんてないんです?」

「やっぱり、連れまわしたって思われてるか~」

「そうじゃないですっ!」

「凛?」

「最初は、恩人だって探そうとしてくれたんですけど、交番の防犯カメラの映像で、相手が暴走族だとわかった瞬間にやめたんです!無視して、なかったことにしたんだから!!」




ギュッ!


(恥ずかしい。)





瑞希お兄ちゃんに抱き付きながら思う。



恥ずかしい、恥ずかしい!

誰のせいで、私が家出したかも考えないで!

表面上は仲良く普通にして!

一般人と不良が関わるのは良くないからって言って!!





「悪い奴は悪いことしかできないみたいな考えしかない最低な『奴ら』なんです!!」





今だって―――――――――――――!!




「本当にごめんなさい、瑞希お兄ちゃん・・・」





暴露してしまった痛い事実。

さすがの彼も怒るだろう。

そう覚悟したのに――――――






「それが普通だぜ、凛?」

「え!?」






私の大好きな人は怒らなかった。

しがみ付く私に、変わらぬ優しい動きで髪をなでながら言う元・総長。


「ツッパリも、ヤンキーも、不良も、出来て当たり前の普通が出来ない奴ばっかりだ。それが真面目になったのを褒めるのはお人好しだって、前も言っただろう?」

「た・・・確かに言いましたが・・・・」

「普通の奴が出来事のモラル水準にやっと追いついたんだ。俺も、烈司も、モニカも、伊織も、皇助も・・・・」





子守唄のように静かに静かに彼はつぶやく。