「凛が助けた女の子も、その両親も喜んでたぞ。」
「・・・え?」
「よかったのか?体調を理由に断ったけど・・・直接会わなくて?」
「よかったんです。」
いくら善意でしたとはいえ、あまり他の人と接触したくない。
どこで誰が見ているかわからない。
のぞき魔の登場もあったから、うまくごまかして会わなかったけど・・・・
「あれからライフセーバーを通して、俺の連絡先渡したら・・・・バリスタの職場まで訪ねてきたぞ。元気になった女の子を連れて。」
「そうなんですか?」
「ああ。娘も望んでるから、直接会って礼を言いたいって言われたが・・・凛は、人に顔を見られたくないだろう?しかも相手は、族の頭だなんて知らない。」
「・・・はい。ですから、会わない方が良いですよね・・・」
その言葉で昔のことを思い出す。
家出した私を助けてくれた人が、暴走族だと知った瞬間、態度を変えた両親のことを。
「そう言うと思って、シャイだって理由で断っておいた。そしたら、ギフトカタログ置いて行った。ほら、凛の机に置いてるやつ。」
「え!?そうだったんですか?」
「それプラス、中に女の子からのお手紙が入ってるそうだ。明日でいいから、見てあげろ。」
「僕宛に、あの子が・・・?」
「おう。ずいぶん、凛のこと好き好き言ってたぞ~?」
「それは・・・ありがたいですね。見てないはずですが・・・」
「母親が、可愛いお兄ちゃんだったって言ったみたいだぜ?それで父親が焼きもちを妬いてた。良い家族だったぞ。」
「うらやましいですね・・・・」
それならなおさら、私とは会わない方が良いだろう。
暴走族だと知って、態度を変えられると傷つきそうだから。


