「凛は真面目だな。」
「え?」
「素直なことは良いことだ。正しく生きることが良いことだ。でもな・・・昔は、病院で『ガン』だって、患者本人に宣告されることはなかったんだぜ?なんでかわかるか?」
「え?ええ?知らなかったです・・・」
「くっくっ!はい、時間切れ~答えは、『思いやり』だ。胃潰瘍だ、盲腸だって大嘘ついて、ガンだって本人に教えなかった。それだけ重い病気だから、患者を苦しめることになると思ったからなんだ。」
「あの・・・それと、僕の質問への答えとは、どう・・・・?」
「『ついていいウソもある』」
その言葉に合わせ、抱きなおされる。
「凛、世の中にはな、ついてもいいウソもあるんだ・・・」
「ついていいウソ・・・・?」
「そうするしか方法がなかったから・・・ウソつくしかなかったって意味だよ・・・・」
「僕を・・・・かばってくれてるんですか・・・・?」
「可愛い子ほど、ひいきしたくなるだろう?」
「ぼ、く、可愛くない・・・・」
あなたが思うように、可愛い子じゃない。
「良い子でも・・・ない・・・・!!」
「奇遇だな、俺もだ。」
そう言って、ギュッと抱きしめられる。
額と額がくっつく。
「・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・」
「うん。」
「ごめんなさい・・・瑞希お兄ちゃん・・・・」
「うん。」
「僕は・・・・・」
「気にすんな・・・ワル同士、仲良くやろうぜ?凛が本当に話したくなったら、その時に教えてくれ。大ウソの答え?」
「うん・・・・。」
神様、神様、ありがとう。
真田瑞希様と会わせてくれて、ありがとうございます。
あなたがいるから頑張れる。
あなたがいるから、強くあろうと思える。
あなたがいるから・・・・・・
「僕は幸せです・・・」
「うん・・・・」
こわばっていた体の力が抜けていく。
緊張がほぐれ、彼の体に身を任せることが出来た。
瑞希お兄ちゃんと目があった時、優しく微笑まれた。
もう、恥ずかしくも、照れくさくもなかった。
同じように、微笑み返す。
自然な仕草で。
そうすれば、グッとそのたくましい胸に押し付けられる。
お兄ちゃんのにおいでいっぱいになる。


