「7時間も、のろけられる方の身になれっての!ばーか。」
「だ、だって~!」
「まぁ・・・そんだけ愛情が深いと、失った時の気持ちは半端ないよなぁ~・・・」
「物騒なこと言わないでくださいよ!?なんですそれ!?僕の好きな人に死ねっておっしゃるんですか!?」
「そうじゃねぇーって!ちょっとばかし・・・昔を思い出しただけだ・・・」
「昔?」
(それってまさか―――――――――!?)
「瑞希お兄ちゃんの恋バナですか・・・!?」
「聞きたい?」
「うう!?は・・・半分半分、です・・・!」
「じゃあ、また今度な。」
そう言って頭をなでられる。
話を打ち切られ、残念な半面、どこかで安心もした。
(過去の恋か・・・)
今のことに精いっぱいで、考えたこともなかった。
そんな私でも、わかるのは・・・。
「瑞希お兄ちゃん、カッコいいから、すごくモテたでしょうね・・・」
恋愛面でも、人気だったんじゃないということ。
それに相手は、興味なさそうにつぶやく。
「どーかなぁ~俺、硬派だったからなぁ~」
「で、でも!お・・・・大人の体験とかは、したのでは・・・!?」
キスとかキスとかキスとか!!
〔★今の凛ちゃんは、キスしか思い浮かばない★〕
「なぁーに、あせってんだ?オメーはぁ~?」
あたふたする私に、頬杖つきながら瑞希お兄ちゃんが言った。
「それは、凛が役職を決めたら教えてやる♪」
「えええー!?やる気が半減したんですけど!?」
「削るなよ!しゃーねぇーな・・・・!代わりに、別のこと教えてやる。」
「別のこと?」
「旅行で捕まえたのぞき魔のことだ。」
その瞬間、なごやかだった空気が変わる。
「恋バナの後で、それですか・・・?」
「ハッキリするまで言うなって、伊織がごねやがったから・・・やっと今日、確定したんだ。」
「確定って?」
「ほら、凛を助けた飛び道具。棒みたいな刃物があっただろう?」
「あ、バーベキューで使うくしみたいなやつですよね?」
「あれな、肉やピーマンを刺す道具じゃなかった。」
「え?じゃあ、なにかの部品・・・?」
「人間を刺す道具だった。」
「・・・・・・はい?」
にんげんを、さすどうぐ?


