(あれから13回・・・・烈司さんが止めるまで、両頬に交互にチューしてくれたのよね・・・)






甘い記憶を思い出し、シルキロールで隠した口元がゆるむ。





「凛、楽しみだなぁ~海♪」

「はい!楽しみです♪」

「着いたら、即、泳ごうな~♪浮き輪で浮くのもいいかもなぁ~♪」

「はい!泳ぐのも、浮くのも~」



“あかんで!!”




浮かれかけた私の頭に、奴の顔と声が響く。






“わかってるとは思うが、あかんで、凛!?”


(・・・・・わかってるよ・・・・)





思い出したのは、甘い記憶だけじゃなかった。