そして。
カキーーーーーンッッ!!!!!
刹那、突き抜けるような快音が響いた。
騒がしかったドーム内が、しん、と静まり返る。
高々と舞い上がった、白い点は、ぐんぐんと伸びて行って……
私の目の前、観客席中段に、着地した。
ワァアアアアア!!!!!
再び大歓声がその場を包んで、観客達が〝18〟を背負う背中に激励を送る。
選手のチームメイトがベンチからワッと飛び出し、エースの頭をガシガシ、背中をバンバン叩く。
チームメイトにもみくちゃにされるエースの姿に、感動を覚えたのを、今でもしっかりと覚えている。
「凄いね……」
「でしょ」
ポツリと呟くと、男の子が、また自慢げに笑った。
〝18〟の刻まれた青いユニフォームを身に纏ったエースの背中と、
……少年のその笑顔が、
私の胸に焼き付いて、今でも離れない。
*
