月の瞳を持つ少女







あの5歳だった少女がいつしか14歳にまで成長した








ある夜、少女は情報収集のために繁華街の隅に佇んでいた






人の流れを眺める








その時に一人の青年が話しかけてくる








「わー、綺麗な瞳だね」







青年は彼女と目を合わせて笑った












「……じゃま」







少女は追い払おうとしたが、青年は食いついてくる










「俺、狭山 直哉

直哉って呼んでよ




君の名は?」







「…………」









「うーーん。教えてくれないの?

あっ!君の瞳は満月みたいだね!すげぇ綺麗だ!

だから、俺は君をツキって呼ぶな!


もう決定!」







いたずらっ子のようにニシシとわらう彼の笑顔に、少女の胸はなんだか暖かくなった