すると、どこからかものすごい殺意がとんでくる
この暑い夏にうってつけの、いやむしろ寒すぎるほどの空気が幹部室を満たす
その出どころを辿ると、いつもはあっけらかんとしている暖人であった
暖人はギロりと立美を睨みつける
立美はそーっと目をそらし、私を離した
それを見計らって私はソファから立ち上がる
時計を見ると既に11:00になっていた
「暖人、出かけてくる」
暖人が私をみる
「……だめだ」
「どうして?」
「…………」
「…………。なら、ここを出ていきます。」
私はずるい。
私は私がこう言えば暖人が次に何を言うかわかってる
「……遅くなるなよ。」
私ってばほんとずるい…………

