私はその刺青をタオルで隠しながら黙って風呂場を出た 途中で詩乃の呼び止める声が聞こえたが、その声には振り向きもしなかった 誰にも見られたくなかった でも、あまりにも平和すぎて忘れていた。 いや、むしろ忘れていたほうが楽だったのかもしれない 私を縛るこの呪縛を 奴というそんざいを そんなこと、出来るはずもないのに…………