「本当に可愛いわねー、孫ってものは」


「すっかりおばあちゃんになってる」


「これでも40代です」


「40でもおばあちゃんはおばあちゃんなの」


「それはそうだけど…………」


「詩乃。そろそろ、行かないと…………」


「あっ、そうだね。お母さん。奏と響のことお願い」


「はいはい。頑張ってね」


「もちろん。今日は、奏と響の誕生日だもの。張り切らなくちゃ!」


「張り切りすぎて、無茶苦茶な演奏しないでよね」


「しないわよ!」


「じゃあ、行ってきます」


「いってらっしゃい!」


「ちゃんと聞いててね」


「うん!」



そして、私と律は舞台袖に向かった