「こんばんは、奏子さん」


「こんばんは、律」


「私には挨拶なしなんだ」


「先に話してきたのは、詩乃でしょ」


「そうだけど…………」


「じゃあ、改めて…………。こんばんは、彩音夫妻」


「そんなにかしこまらなくてもいいじゃない。律は、お母さんの娘婿でしょ?」


「そうなんだけど、やっぱりりっちゃんは、立派で偉い人に見えちゃうから」


「そう見えるわりには、りっちゃんって呼ぶのね」


「そこは関係ないでしょ?」


「あると思うけど」