「まだなの?!ドナーは、まだ見つからないの!?」


「詩乃。ドナーはそう簡単に見つかるものじゃないの」


「そんなこと分かってる!でも……ドナーが見つからないと………」


「だから決めたのよ」


「えっ?」


「律をアメリカに連れていく」


「!」


「ドナーが見つかったらすぐに対処できるわ」


「確かにそうだけど……。でも今、律は危ないんでしょ?アメリカに連れていくなんて……」


「確かに危険ね。でも連れていかないと、もっと危険なことになる」


「っ!」



そうだよ


今連れていかないと、律は死んじゃう


それだけは嫌だ



「その代わり、私もついていく!」


「でも学校は………」


「そんなの関係ないよ!何がなんでもついていく!!」


「…………分かったわ。でも帰りがいつになるのか分からないわよ」


「どの道、律が死んでまうのなら、私は可能性を信じながら待つ。それだけだよ」