『とにかく向かうわ。それまでは律の傍にいてあげなさい』



お母さんが律って言った


本当に律は危ないんだ…………


律………


それから1時間弱後


お母さんは来た



「お母さん!」


「りっちゃんの容態は?」


「今も眠ってる。最悪このまま目覚めないかもって…………」


「……………お父さんの話だったわね」


「…………お父さんは交通事故じゃなかったの?」


「確かに交通事故だったわ。でもね、誰が悪いのって聞かれたらそれは言えないの」


「どういうことよ」


「……………決して、恨まないでね」


「恨むってどういうこと?」


「…………話を聞けばわかるわ」


「…………」


「私はりっちゃんのご両親と知り合いだった。その日は、りっちゃんの家族と私たち家族で出かけていたの。その時、りっちゃんと詩乃は初めて会ったわ。もっともりっちゃんと詩乃はそんなこと覚えてないと思うけど」


「何歳の時だったの?」


「ちょうど、7歳の時だったわ」


「7歳って、律が余命宣告される1年前?」


「そうよ。7歳の時にりっちゃんのご両親も、そしてあなたのお父さんも亡くなったの」


「どういうこと?もしかして何かあったの?」


「…………確かにあったわ。悲しいことがね」


「教えて」


「…………7歳になった律とあなたを連れて私たちは、別荘に行ったの」