「ヨシヨシ、泣くな‼」

笑いながら坊主頭をポンポン叩いてみた。
泣かないからハンバーグ一口くれ。と言われたのでブロッコリーを寄与すると、輝空くんはわたしの頭をガシガシなでてボサボサにした。


残されたわたし達はお弁当を食べながら二人で話していた。

「……雪だるまの親子は元気かなー」

ふと、あの夜作った雪だるまの事を思い出す。

「まだ残ってるといいよなー‼またいつか、次はもっとデッカいやつ作ろうな」

もうないんじゃない?と、言わないでいてくれる輝空くんであってよかった。夢を崩さないでいてくれる人間であってよかった。無邪気な姿が好きだ。

……だけどこのままでいいのかな。
今ある幸福の裏で、わたしの心がチクチク痛むのはなぜ?