空高く、舞い上がれっ。

夜、みんなでトランプをしていた時、スマホのメール受信音が鳴った。

【消灯時間の3時間後お土産売場に集合‼こなかったら絶交だからネ★】

寧音からのメール。
いけないやつだなぁ、と思いながらメールを返す

【はいはい、了解。見つかったら寧音のせいね(笑)】

消灯時間は9時。みんな小学生じゃないんだから~と、グチをこぼす。暗闇の中、見回りの先生に怒られないように小声で会話。

“明日は最終日だね、榎子のお土産は何にしよう”
小さく、小さく。
会話は少しずつ無くなっていき、消灯2時間後にはみんな寝てしまった。

わたしは外へ出ても寒くないように上着を着ようと思い、布団から起きあがる。


「どこ行くの?」

その声に驚きピクッ、と止まる体。声をかけてきたのは莉華だった。

「……っあ、なんだ莉華起きてたんだー、びっくりした‼」

莉華は布団にくるまったまま、わたしの方を見ている。