後になっていろいろと浮かんでくる後悔。

あれは、付き合っていた頃……

「輝空はわたしに嫉妬したことある?」

「え?ないよ」

返事はあっさりしてて、嫉妬をしてしまうのはわたしだけなのか……そう思った。

「だって、妬くときないじゃん」

その後の輝空の言葉がまだあったんだ……

『お前が男としゃべってるのなんて尊としゃべってるくらいしか見た事ないし』

その時はたいして気にも留めていなかった。今、振り返ってみるとその言葉に違和感を感じる。

わたしの席は窓側の一番後ろで、前の席には寧音。隣にはクロがいて、斜め前のシロがいる。4人で話をしてよく盛り上がっていた。

輝空の席はわたしの列の前の方にある。当然会話は聞こえていたはず……
もしかして、本当は嫉妬をしていたの?
あえて聞いていないフリをしていたの?
本当は何かを思ってたの?

わたしがあの時、少しでも何かが違えば……
そう、例えばもう少し我慢をすれば違った未来があったかもしれない。
そんな後悔をしたのは、トランプのハートのエースを出した後で……

ねぇ、こっちを向いて?
そう思っても、もう輝空は振り向いてはくれない。

世界で一番大切だった。
でも、知らない間に大切にしていなかったのは……わたしだったのかもしれない。

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