帰り道の途中、踏切で寧音と尊に出会った。わたしを見て大きく表情を変え抱きついてきた寧音。
その状況を見て「お前等はもう大丈夫ってこと?」と、呆れたような少し安心しているような譲治の顔。その言葉の意味がわからず、自転車を支えている尊を見た。
そんなわたしに気づいた寧音は一言「歩舞、会いにいけなくてごめんね」と、謝った。
わたしの元へ訪れなかった数日の時間の中、寧音と尊は今までにない大喧嘩の末に別れてしまったらしい。
「でも、今日ちゃんと復活したから安心してね‼」
わたしの両肩を揺らし無邪気に笑う寧音を見て、ホッとしたのと同時に罪悪感を知った。
わたしが自分を見失っている間、寧音はどれだけ苦しい思いを一人でためていたのだろう。
わたしも変わらなきゃ……
オレンジ色の踏切の電灯の下でそう思った。
毒がじわじわと体を巡る感覚を覚えた夏休み。
このまま道の真ん中でいなくなってしまえたらと、幾度も思っては想像することしかできない自分に泣いた夜もあった。
生きなきゃいけない──……
そう気づかせてくれる手がわたしを支えてくれるんだ。
夕日が沈み、夜に染まる道をわたしたちは歩いた。
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その状況を見て「お前等はもう大丈夫ってこと?」と、呆れたような少し安心しているような譲治の顔。その言葉の意味がわからず、自転車を支えている尊を見た。
そんなわたしに気づいた寧音は一言「歩舞、会いにいけなくてごめんね」と、謝った。
わたしの元へ訪れなかった数日の時間の中、寧音と尊は今までにない大喧嘩の末に別れてしまったらしい。
「でも、今日ちゃんと復活したから安心してね‼」
わたしの両肩を揺らし無邪気に笑う寧音を見て、ホッとしたのと同時に罪悪感を知った。
わたしが自分を見失っている間、寧音はどれだけ苦しい思いを一人でためていたのだろう。
わたしも変わらなきゃ……
オレンジ色の踏切の電灯の下でそう思った。
毒がじわじわと体を巡る感覚を覚えた夏休み。
このまま道の真ん中でいなくなってしまえたらと、幾度も思っては想像することしかできない自分に泣いた夜もあった。
生きなきゃいけない──……
そう気づかせてくれる手がわたしを支えてくれるんだ。
夕日が沈み、夜に染まる道をわたしたちは歩いた。
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