「お前、剣道ちゃんとやってんの?」

「……え?」

「何のために高校行ってるかわかってんの?」

急にふられた話にわたしは止まった。

「真剣に剣道するっつったの誰?」

勉強は?
将来のこととか考えてんの?


「目標ないなら辞めろよ。恋愛ゴッコのために学校行くとか、うざい」

毒舌……譲治はいつもそう。
だけど……この日はわたしも黙っていられなかった。

「……違う‼そんなんじゃない‼」

わたしは……将来はまだ見えない……
だから、それを探すために高校生活を生きているんだ‼

いつの間にか、わたしは譲治を睨んで泣いていた。
悔しかったんだ。目の前の悲しみにおぼれることしかできない自分が……

しばらく将司は黙っている。それから咳払いをして口を開いた

「生きてるじゃん」

俯いたわたしはその言葉に顔をあげた。
向きをかえ部屋を出る譲治はドアのところで足を止め、早くしろよ。と、わたしを急かす。

後を追おうとした時スウェットのままの自分に気づき譲治を止めようとしたが、わたしの声も気かずに階段を降りていく姿を見てそのまま部屋を出た。