「なんでここに……」

「‥…‥ここに」

ここにいるような気がしたから──……

雨音とかぶるその言葉に喉が熱くなる。

「……ばかじゃない?」

輝空くんは何も言わない。
わたしはこんなことが言いたいわけじゃないけど、強がっていないとどうしようもなく溢れ出てしまいそうで……

「なんでわたしの前に現れるの!?」

「お前が呼んだんだろ?」

「来なくてもよかったじゃん‼」

輝空くんは前を向いて笑っている。そんな横顔すらわたしは……

「今まで、ごめんな……」

「え……?」

輝空くんは笑いをやめて真剣な顔をわたしに見せる。

「ちゃんと……話してなかったからこんなことになったんだよな。お前のこと、傷つけて……ごめん」

わたしは『あぁ、これで終わりなのかな』と、覚悟を決めていた。


「あのプリクラの人は……俺の……」

彼女じゃないんだ、と呟く輝空くん。