「まだ学園祭準備期間まで時間はありますが、わからないとこがあったら……」

会議の終了を表す閉めの言葉を生徒会長が言い始めたところで、周りの人たちが椅子から立ち上がり解散しはじめた。

あたりがざわざわし始めて、わたしはピンク色のシャーペンをペンケースにしまう。

隣の席の委員長もゆっくりと立ち始めた。
ガガッと椅子の足が床を擦る音にちらっと目がいくと、委員長と目が合ってしまった。なんとなく、微妙な間を持ってしまってそのまま目をそらしづらくなってしまった。

「輝空がお前と話したがってるよ」

「え!?」

わたしが何かを言い返す前に、きっと友達なのであろう隣のクラスの男子に話しかけられ、委員長は去って行く。

「……なんで?」

声にならない声で、ほとんど人のいなくなった視聴覚室に問いかける。

なんで……輝空くん。