空高く、舞い上がれっ。

「声だして泣けばいいじゃん」

「歩舞……ため込まなくていいんだよ」

布団にくるまったまま、振り向かずに背中で尊と寧音の声を聞いていた。
寧音と尊はそれ以上は何も言わなかった。

輝空くん……輝空くん……
わたし、君に好きって言いたかったよ。
悔しいよ、苦しいよ……会いたいよ……


わたしの目から落ちる雨。
あれからどれだけ、子供のころのように泣いていたんだろう。

雨上がりの顔はとてつもなく不細工だったと思う。
でも、尊の作ったオムライスは冷たくなっても美味しかった。