空高く、舞い上がれっ。

今更学校へ行っても仕方がないし輝空くんに会いづらかったから、ちょうどいいやと思ってサボることにした。

尊が、オムライス作ってやるよ。と言うのでなんでも使ってと、台所を貸した。
寧音が、まだ寝てていいよ。とわたしの肩を沈める。わたしはひとり、自分の部屋でベッドに横になった。

急に静かになった部屋。
日の光で出来たハウスダストのすじが見える。
下の階からかすかに聞こえる二人の声。


昨日のことが頭をよぎる。
雑誌、バイク、ラーメン、エナメルのバッグ、スマホ、財布──
プリクラ──……彼女。

「だったら優しくすんなバカ……」

いつもあんな笑顔をわたしに向けるから。
いつもわたしの頭をクシャクシャとなでてかまうから。
うぬぼれてしまうんだよ。

正直、告白すればOKしてもらえる確立もあるんじゃないかって期待もあった。
バカみたい……って、それしか出てこない。

涙が頬を伝う。
声に出して泣きたかったけど必死にこらえた。体が小刻みに震えて、喉が熱い。