「そっちは基本的に1年生の校舎になってて1階部分に実験室2つと準備室があります。」


「へぇー、ここの学校敷地広いけど迷ったことはないの?」




─── ギクッ



まぁ、昔のあたし(高1)の時なら今の時期でも迷っていた記憶がある。


ちーちゃん曰くあたしは方向音痴らしい。



でも、こんな事先生に話したくない。


学校で迷子になりました、だなんて普通に恥ずかしいでしょ?



そう思いながら先生と並んで歩いていた。




「あれ、さくら?何だお前結局パシリにされてるじゃねーか、」




あたしのことをボロクソ言いながらクリームパンを食べている圭ちゃんに遭遇。




「圭ちゃーん、交代してええ!」


「…あ?やだよ。何が嬉しくて担任と仲良く歩かないといけないんだよ。」




圭ちゃん、本人の目の前で言い過ぎ。

それを聞いた先生の顔は見た目笑ってるけど絶対中身は怒ってるし。




「大丈夫だってば、先生も圭ちゃんも顔だけは整ってる方だから絵になるよ。」


「…だけって何だよ、さくら。」


「君に同感だね。…そういえば、名前教えてくれないか?まだ覚えきれてなくて。」