あたしのことを完全に見下している言い方。
いや、別にさこの先数学なんて使わないよ。
使うのなんて、和・差・積・商だけだよね。
他に数字を使う仕事なんて簿記とかそれぐらいじゃないの?って思う。
「数学得意な人の頭はどうかと思います。あんな数式解いて何が楽しいんですか。」
「…クスッ、何が楽しいか?って言われたら難しい式を解いた時の達成感か?」
別に達成しても次々に数式は出てくる。
あんなの解いてられない。
…というより解けるわけがない。
数学専門の個別指導の塾に行っても50点以下をキープしてきたあたしは世間が認める程の数学嫌いだと思う。
「文系なあたしにとっては理解できません。特に論理的思考の数学なんて意味が分かるわけがない。」
「佐々木は理論的思考か。でも、英語の成績は見た感じ良かったよな。
英語って論理的じゃねーの?」
「あああー!もう何でもいいですっ!
というか、どこに行きたいんですか!」
校舎案内からだいぶ話がズレた。
元に戻そう…、
成績の話(特に数学)について話したくない。
「んー、図書室と自習室はどこ?」
「図書室は丁度向こうに見える建物の2階にあります。自習室は職員室がある校舎の3階全体が自習室になってます。」
3階全体に自習室なんか作らなくてもいいのにと思ってしまう。
でも仕方ない、
この高校は一応都内でも進学校に入る高校。
「図書室がある建物の向かい側の校舎は何があるの?」

