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『きゃぁっー!誰あのイケメンっっ!』
『2年生に来た新しい先生らしいよっ!
メガネかけてるとこがめっちゃ萌えるう!』
女子は噂が好きで、
そして、イケメンも大好きだ。
そしてメガネをかけてると萌えるらしい。
(萌える意味がわからない。)
いや、だってメガネかけてるだけの高身長な普通の顔の整った人。
意地でも本人の前でカッコイイなんて単語を言いたくない。
「てか、どうしてこうなった…。」
「校内案内は雑用係の仕事だからね、それよりこの学校は全体的に校舎も綺麗だね。」
「…何年か前から建て替え工事をしていたらしいですよ。」
それよりこの先生と歩いていたら
かなり注目されるのが痛い。
─── 何であたしみたいな超凡人がこの顔の整った人の隣にいるんだ。
みたいな表情で見られるけど、あたしだって嫌なんだからね!
「そういえば、さっき佐々木の成績表をデータで見たよ。
…飲んでたコーヒーを思いっきりパソコンに吹きそうになってしまったよ。」
「…そんな情報いりません。あたしは中学の時から数学は本当に駄目なんです。」
「だろうね、どうしたらこんな点数を取れるのかって不思議に思ったよ。」

