「何であんた先生に当たりきついの?」
「…侑吾に……似てるから、ムカつくの。」
「まだ、あいつを引きずってるわけ?確かにあの担任とあいつはオーラが一緒だけど。」
桜田 侑吾はあたしの初恋の相手であり女たらしの元カレである。
皆からは人気でムードメーカー的な存在。
でも人気だからこそ女遊びが激しくなった。
「でも、私は担任とあいつ全く別物だと思うよ。… それを決めるのはさくらだけど。」
「…うん、」
わかっていても似てるものは似てる。
侑吾と先生が別人なんて当たり前。
あたしは何でこんなに嫌いなんだろう。
共通点といえば女たらし。
「どうすればいいんだろ…、もう何もかもわかんないや。」
「さくらって頭良いくせにそういう所だけ本当に悪いよね。」
「…へ?」
今さらっと、嫌味を言われたような。
でも要領が悪いことぐらい自分が一番理解している。
「とりあえず、逃げてても何も始まらないよ〜、先生と仲良くしな。
どうせ顧問にも担任にもなるんだから。」
「ゔっ、… わかってるよ。」
必要最低限関わればいいだけ。
それ以外特別なことは何もいらない。

