「あっ!すいません。説明してませんでしたね。調査にかかった日にち×1万で成功報酬でプラス5万円という料金設定になってます。」


大塚はそれを聞き困った表情をしだした。


「あの……もし、大丈夫でしたら分割とかはできませんか?」


探偵業というのは個人と団体で大きく別れるが、事務所によってピンキリな所がある。


そもそも探偵を雇うなどというのはよほど切羽詰った状態か、お金に余裕が無ければ出来ないであろう。


宮部は瞬時に大塚の財布事情を察し「全然大丈夫ですよ」と優しく投げかけた。


大塚は安心したのか「有難うございます」と一言いい、目の前の紙に最近の若い子らしい丸みを帯びた文字でスラスラと書き始める。


少し前屈みになって先ほどよりも露になった谷間を鼻の下を伸ばしながら宮部は凝視していた。


男のさがと言うべきであろうか。世の男性人ならこの気持ちを理解できるだろう。


大塚が書き終わったの見計らって「それじゃ、明日行きますんで宜しくお願いします。」と宮部が告げると、大塚は深くお辞儀をし、事務所を出ていった。