いつもなら速度制限を比較的守って運転をする宮部だが今は違った。


時間が進む毎に宮部の胸中に渦巻いた嫌な予感が大きくなるのを感じる。


「思い違いであってくれ。」


車内の時計を見ると12時45分と表示されている。


宮部は携帯を取り出すと事務所へと電話をかけた。




プルルル……プルルル………。




何コールかかったわからなくなるまでかけ続けているが一向に出る気配がない。


宮部は一旦通話を切ると今度は日野の携帯に電話をかけ始めた。