もう駐車場にあった車も宮部だけとなっている。


まだ今の所不審な者は愚か、人影さえ見当たらない。


そもそもこんな夜中に外を出歩いている人はそういないだろう。


ここは館林だし、どっちかと言えば田舎だ。それに飲み屋街でもない。


人がいるとすれば大塚と同じく夜の仕事をしているか酔っ払いくらいだ。


大塚はあっという間に宮部の車の横を通り過ぎていく。


宮部は大塚の背後を車内で観察していたが、50m程離れた瞬間車から降り徒歩で追跡した。


未だ、特に変わった点はない。


それから3分ほど歩くと右側に古びたアパートが姿を現し大塚はその中へと消えていった。