「冗談じゃない!私には目的があるのよ、まだ集まってもいないのにこんなところで死んでられないの!!」

「その通りよリオ!あきらめるのはまだ早いわ!」
リオの決意に答えるように自分の角でリオと自分のつるを切り、落ちてきたリオを自分の背中で受け止めた。

「くっ!やるではないか、童のつるを切り落とすなんて!」
2人に逃げられたジャックレイクは捕まえたフラワーブルーを目の前に盾にした。

「黄玉、フラワーブルーのつるも・・・」

「分かってる、でも・・・あんなにジャックレイクと距離が近いと・・・迂闊に近づけない・・」

「フフフ、まぁ良いお前たちはこのウサギの後にゆっくり始末しよう。」
ジャックレイクは逃げた黄玉とリオに向けていたつるをフラワーブルーに集め、3方向から狙いを定めた。

「よーく見ておれ!!」
そして、目の前のフラワーブルー目掛けてつるを勢いよく振り落した!!

「しまった!!」

「フラワーブルー!!」

もうダメかと思ったその時!フラワーブルーに向かっていたつるが消えた・・・・。
いや、すごい勢いで向かってきた灰色の物体に切られた!

「なにっ!!」

「ッ!!!!」

「えっ!どうなったの!?」

「危なかったね。こんなところに隠れていたなんて、探すのに苦労しちゃったよ。」
気絶しているフラワーブルーを引きずり現れたのは、灰色の体に赤色の瞳をしたウサギでした。

「灰色の体・・・赤色の瞳・・・もしかして、君がクロム?」

リオの言葉にほほ笑んだ灰色のウサギ、もといクロムは引きずっていたフラワーブルーをリオの近くに置くと、呑気に話しかけました。

「ちょっと、いつまで気絶してるの?起きないとやられちゃうよ、フラワー?」
自慢の長い耳で顔をバシバシたたくと、フラワーブルーの目がゆっくり開き・・・周りをキョロキョロしてクロムを見つけると、叫びながら思いっきりダイブしました。

「クロム―!!」

「・・・・・。」スカッ
あっさりと避けられましたが・・・

「何で避けるのよ!!」

「今はそれどころじゃないでしょ。ジャックレイクの相手は黄玉に任せて早く安全なところに!」

「言われなくても・・・・」

「言い訳はいいから、急いで!!」

「はいっ!!」