「そうだね!もしかして・・・クロムってルビーの守護獣だったりして(笑)」

「「・・・・・。」」

リオの言葉に一瞬時が止まったかのように固まってしまった2匹でしたが・・・すぐに我にかえりました。

「・・・そうかもねー」

「黄玉は他の守護獣の姿は知らないの?」

「知ってる者もいれば、ほとんどが知らないわ」

「知らないんじゃない・・・。」

「お父さんが集めた魔石たちも知らないの?」

「私たちは一度マスターから解き放たれたらそのほとんどが姿を変えるのよ、私たちの姿を知っている悪人に利用されないように・・・」

「そうだったんだ・・・ほとんどっていう事は変わらない子もいるの?」

「いるわよ、姿を変えるのは私たち自分の意志だもの。」

「なるほどね。」
この話をしている間、フラワーブルーは黙って2人の話を聞いていた。自分の中の少しの動揺を悟られないように・・・

「・・・光」
話しながら洞窟の奥に進んで行くと・・・洞窟に似つかわしくない広い草原のような場所に出ました。
中心には樹齢何百年もの大木が1本立っているだけだった。

「なに・・・ここ?」

「洞窟の中に・・・草原が?」

「・・・・。」

「行ってみよう!何か分かるかもしれない!」

「そうね、フラワーブルー行きましょう?」

「・・・・・。」

「フラワー?」
リオの後ろを追いかけようと、フラワーブルーに話しかけるも俯いてるだけで動こうともしない。不審に思った黄玉が顔を見ようと屈んだその時・・・!

「きゃあーーー!」

「リオ!?」
大木に近づいていたリオの悲鳴が聞こえて振り向くと、大木の根元から伸びてきたつるがリオの手と足を捕まえていました!

「リオ!!っ!?」
すぐに駆け寄ろうとした黄玉の足と角にもつるが絡みついて動けませんでした・・・。

「フラワー・・・あなた・・・」
未だにうつむいたまま下半身をつるで巻かれても微動だにしないフラワーブルー・・・。
黄玉は大木近くにいるリオの方に目を向けると、大木の下から出てきたのは・・・木の化け物”ジャックレイク”

「フフフ、久しぶりの客だ!童が存分に可愛がってやろう!」

「・・・。」
ジャックレイクの足元には瞳が薄緑色に染まり表情のないフラワーブルーの姿。

「最初から・・・最初から私たちをだましていたの?」

「フラワーブルー・・・。」
つるを解こうともがきながらも、フラワーブルーが騙していたとは信じられないリオと黄玉・・・。