サーシャ村を出発したリオは何故か深い深い森の中にいた・・・。
そこは、迷いの森とも言われる緑の迷宮・・・”グリーンラビリンス”
ジャングル並みの亜熱帯に木々は高く昼間でさえも光が届かずいつも薄暗い・・・。

「迷ったね・・・?」

「迷ってないよ・・・ほら!あの木見覚えあるもん!!」
意地を張り迷ったことを認めないリオは、適当な気を指し迷ってないと主張している・・・

「私には周りの木と同じにしか見えないけど?」

「うぅ・・・・・」
どうしてこうなったかと言うと・・・リオたちが緑の迷宮に差し掛かった時、黄玉の心配をよそに変な根拠と自信でどんどん先に進んで行ったのです。

「出だし最悪かも・・・・」

「・・・・・・・ハァ」

「黄玉、匂いでなんとかならないの?」

「私は犬じゃないわよ。」

「分かってるけど・・・じゃあこの分かれ道どっちに行ったらいいの?」

「知らないわよ!!」

「そんな~どうしたらいいのよ~~!」

「お困りのようだね~」

『っ!!!!』
分かれ道の前で悩んでいるリオたちに向かってどこからともなく呑気な声が聞こえてきた。
辺りをキョロキョロと探していると、木の上から身軽に降りてきたのは・・・1匹の白いウサギ、しかも着物のような服と青色の瞳・・・頭にはアンティークのような鏡がついていた。

「ウサギ・・・?」

「普通のウサギではないようね」

「珍しい・・・青色の瞳・・・かわいい~」
ますで警戒心のないリオは無邪気に怪しげなウサギに頬づりしている。

「ちょっとリオ!!少しは警戒心を持ちなさいよ!!」

「だってこの子全然危なくなさそうだよ。」

「だからって・・・第一遊んでる暇なんてないでしょう!早くこの森の出口を見つけなきゃいけないのに・・・」

「まあまあ、そんなに警戒しないでよ。出口探すの?迷ってるなら助けてあげるよ?」
今まで黙っていたウサギがこの緑の迷宮の出口へ案内してくれると言うのだ・・・。

「ほんとう!!」
この言葉にリオは目をキラキラさせながら喜んだ。

「もちろん!・・・その代り、私のお願い聞いてくれる?」
しかし、タダで教える気はないらしい。

「お願い?何すればいいの?」

「ちょっと待ってリオ!そんな簡単に信用しない方がいい。」
今まで黙って聞いていた黄玉は、分かってはいたが何とも騙されやすいリオに呆れながらいまだにリオの腕の中にいるウサギを睨んでいた・・・目は開いていないが・・・。

「ちょっと黄玉・・・せっかく出口を教えてくれるって言うのに」

「それが怪しいのよ、こんな奴が出口を知ってるのかさえ疑わしいわ!!」