「こっちの方まで続いてたんだ・・・」
わき道の中まで除くと・・・背の高い花がたくさん咲いていました。

「ん?ここは背の高い花ばかりが咲いているんだ。」

「クロム?」
クロムが1人で探索していると、さっきまで花畑にいたはずのリオがクロムの後ろにいました。

「リオ、見て!すごいでしょ?背の高い花ばっかり!」

「ほんとだ!!向こうの花畑とは違った魅力があるね・・・」

「よく見ると小さい花がたくさん集まってる。」

「たしかに・・・このお花なんていう花なのかな?」
2人が花を手に取ろうと近づき・・・手を伸ばしかけると・・・
微かな声がどこからともなく聞こえてきました。

「触らないで・・・・」

「なに?」

「どうしたの?」

「今、何か聞こえなかった?」

「???」
クロムには聞こえなかったらしく、首をかしげるだけでした。

「お願いします・・・私の大切な花に・・・触れないで下さい・・・。」
バサッ!!
大量の花びらが舞い、その花弁がおさまるころには・・・目の前には花の冠をつけ、紫や白をあしらった着物を着た女性が立っていました。

「さっきの声はあなたが・・・?」

「は!はいっ!!」
リオの声と2人の目に一気に見られた女性はビクッ!と体を強張らせ勢いよく返事をしながら木の後ろに隠れたままリオとクロムを見ていました。

「あの~?」

「ごっ!ごめんなさい!!」

「えっ?えっ?」

「あ~ぁ、リオの顔が怖いからおびえちゃった。」

「・・・・。どういう意味よ」

「そのままの意味だよ?」

「ちょっと、クロム!?」

「ねぇ?」

「は、はい!」
クロムの思いがけない言葉にビックリしているリオを通り越し、木に隠れている女性に話しかけました。

「どうして触っちゃいけないの?」
クロムには二言目の言葉は聞こえていたらしく、その意味を聞きました。

「えっと・・・その花は・・・”ライラック”と言う花です・・・。と・・・とてもデリケートで・・・体温に弱いので・・・その・・・。」

「もしリオが触ってたら枯れちゃってたね?」

「そっか・・そうだね、ごめんね何も知らずに触ろうとして・・・」

「いえ・・・分かって下されたなら・・・。」
そんな会話をしながらも、その女性は木の後ろに隠れ、リオたちを怯えた目で見ていました・・・。

「・・・そうだ!まだ自己紹介がまだだったね、私はリオ!よろしくね。」

「僕はクロムだよ。」

「わ・・・わたくしは”ライブラ”と言います。・・・魔石”ガーネット”の守護獣です・・・。」