「そうだったんだ・・・知らなかった」

「今まで教えてなかったからね。」

「ううん、でもこれで私もルビーとサファイアに認められたってことだよね?」

「そうね。」

「ありがとう・・・。」
リオは自分を認めてくれたルビーとサファイアを魔石ケースにしまいました。

「これからよろしくね、クロム、フラワーブルー」

「私の事はフラワーでいいよ。」

「「こちらこそよろしくね、リオ!」」
ピョンとリオの両肩に移動した2匹のウサギは、にっこり笑ってリオにすり寄りました。
くすぐったそうにしながらも嫌な顔をせず受け入れました。

「ふふ、くすぐったい」

「にぎやかになりそうね、リオ」

「そうね、あ!そういえばクロム?」

「何?」

「最初会った時、ジャックレイクに向かって”探していた”って言ってたけど、どういう意味?」

「それはね・・・あの化け物ジャックレイクは、元々僕たちの祭壇を守っていた守護植物だったんだよ・・・。」

「守護植物?」

「クロムやフラワーが居ない間、祭壇を守っていたってことよ。」

「そう。でも・・・何年か前に赤い月の光を浴びてからおかしくなっちゃって・・・」

「本来守るべき祭壇を隠したり、森の植物に私たちを襲わせて追い出したり・・・」

「ひどい・・・・」

「ジャックレイクは僕たちを追い出して、祭壇に祀ってある魔石の力を自分のものにしようとしていたんだ。」

「力って?」

「それは黄玉が詳しく説明してくれるよ。」

「なんで私なのよ?」

「細かいことは気にしなーい!」
早々に説明を放棄したフラワーブルーはリオから降りて毛づくろいをしていた。

「ハァ・・・力って言うのは、付加術みたいなものなの。私たち守護獣は自分が宿る魔石から離れすぎると本来持っている力が使えないのは話したわよね?」

「うん。」

「それは、魔石から微弱な電磁波みたいなものが出ていてその電磁波を受けて力を増幅させてるの。」

「それは分かったけど、どうして植物まで?」

「守護植物が生まれる条件は、祭壇をまつっている土地。」

「つまり?」

「つまり、祭壇がある場所によって守ってくれる生物が違うの。森ならジャックレイクのような守護植物、海なら守護海魚、空なら守護蝶になるの。」

「なるほど・・・。」

「土地から守護生物を生み出すのは・・・」

「生み出すのは?」

「分からないの」

「え?」