アメリア地方にある小さな村”サーシャ村”、かつてこの村には9つの魔石を集めた”ストーンマスター”が住んでいた。
その者の娘”リオ”、今日も父から託された魔石”トパーズ”を持って日課のお祈りへ、村はずれの泉までやってきた。

「・・・・・・・。」
木々の揺れる音も、鳥の鳴き声も、風の音さえも聞こえない。

「リオ」
泉の淵に座り集中していたリオを呼ぶ声・・・目を開けて声がした方向を振り向くと、1匹の純白のユニコーンがいた。

「黄玉、散歩はもういいの?」

「えぇ。」
彼女の名前は魔石トパーズの守護獣”黄玉”いつも瞳が閉じている。優しく冷静なお姉さん

「・・・」
しばらく無言だったリオは、隣に座った黄玉にゆっくり振り向くと決意をかためた目で黄玉と見つめあいます。

「リオから真剣な気配がする・・・決めたのね」

「・・・うん。お父さんの意志をついでこの世界に散らばる全ての魔石を集める!!」

「(真剣な声・・・纏う気配がケインそっくりね)」

「一緒に来てくれる?」
角を触りながら聞いてくるリオの手にすり寄りながら、迷わず答えた。

「当たり前なこと聞かないで、それにリオだけじゃ心配でマリアンの胃に穴が開いちゃう(笑)」

「ひどーい!!」
こんな冗談を言いつつリオと黄玉はある意味追いかけっこをしながらいつの間にか村まで戻っていました・・・。
その夜、魔石集めの旅に出ることを母マリアンと村長に話、魔石は全部で12個あること、父が見つけた9個以外の残り3個は誰も知らない未知なる魔石・・・。
世界に散らばる魔石のほとんどは守護獣によって守られていること。

「リオ、本当に大丈夫なの?」

「魔石集めが大変なのは覚悟してたし、お父さんの娘だけで簡単に集められない事は知ってた・・・そんなに心配しなくても平気よ、黄玉もいるしね!」

「でも・・・」

「マリアン、そんなに心配するでない。」

「村長・・・」

「この子も成長した、まだまだ子供なところはあるが強い意志を持ておる。」

「・・・・そうね、黄玉リオをお願いね」

「任せてマリアン」

こうして、サーシャ村の夜は更けていった・・・・・。