結衣「…いじめは…、進学して1ヶ月過ぎて5月の連休が明けた頃でした。いくつか仲良いグループにわかれ、その中のひとグループが心ない悪口を言いはじめたのがきっかけでした…」

赤田「今6月だから、いじめは、はじまったばかりだったのね…。」

1ヶ月前…教室での出来事…。
渡邊「そういえば、気にくわない女子がいるんだけど、ねぇねぇ、あの席の女、可愛くないし、キモくない?一緒の空気吸いたくない。死ねばいいのにね~」

町田「そうだよね。死んでほしいよね。生きている価値なくない?」

笹木「それに、このクラスにいなくてもいい存在だよね。学校すら来てほしくないんだけど。」

渡邊・町田「分かる~」

と笑いながら、対象の子に聞こえる声で話した。

結衣「…それから、その子たちは悪口からはじまり、段々と女子をターゲットに、物を隠したり、壊したり、水をひっかけたり、教科書に落書きしたり、無視したり…エスカレートするように…なりました。でも、それは、ほとんど先生達がいない所で行われていました…。女子達は、毎日今日は自分がいじめに合うのではないかと…怯える日々を繰り返してたと思います…。谷川先生に相談した子もいました。」

ある日…
生徒A「谷川先生、全然信じてくれなかったよ…。
あの子達がいじめなんてする子じゃないって…。」

生徒B「そうなんだ…あの子達、成績も良くて有名だし、先生達の前では、いいこぶってるもんね…。」

生徒A「もう、関わってほしくないよね…本当に怖いよ…平穏に学校生活をおくりたい。」

結衣「そうに言っている子もいました…。でも、私達は自分達がいつターゲットにされるのかが怖くて、いじめられている子をみても…知らないフリをしていました…。」

赤田「そうなのね…。いじめの経緯は分かったわ。私達も知らなくてごめんなさい。謝りきれない…。苦しかったよね…。それと、谷川先生、今のお話は本当ですか?生徒から相談されていたのですか?」