夜7時頃‥。

自宅へ戻ると、結衣の母と父が玄関の前で話していた。

結衣と晴輝は玄関へ近づくと、二人の足音でこちらを振り向いた母が走って、涙を溢しながら結衣に抱きつく。

結衣母「ゆっ、ゆい‥。」

父が晴輝のもとへ近づき頬を叩く。結衣父は激怒してる雰囲気を漂わせる。

結衣父「娘を連れ回して、どこいってたんだ。」

晴輝「娘さんを勝手に連れ回して、申し訳ありません。」

結衣「晴輝くん、謝らないで。お、お父さん、怒らないで。晴輝くんは悪くないの。」

結衣は抱きつく母の腕を振り払い、晴輝の前にたつ。

結衣父「結衣は黙ってなさい。朝、先生から結衣が男の子と一緒に学校を飛び出したって連絡があったんだ。お母さんとお父さん、仕事を抜け出して、どれだけ心配して、探してたと思ったんだ。」

結衣「ごめんなさい。」

結衣母「お父さん。外で話すのも近所迷惑だから、とりあえず、詳しいことは家の中で話しましょう。あなたのお名前は何ていうの?」

晴輝「空風晴輝と申します。」

結衣の母「空風くんね。」

すると話してる後ろから、自転車をこいで誰かがやってくる。

愛華「ゆーーい。」

部活が終わった愛華が、息切れの状態で、自転車で訪ねてきた。

結衣母「愛華ちゃん、どうしたの?」

愛華「はぁはぁ‥。お、おばさん、おっ、おじさん。こんばんは。結衣の噂を耳にして、やってきました。部活がどうしても抜けられなくて。結衣、生きてた‥。良かった‥。ごっ‥ごめんね、ごめんね、私何も知らなかった‥、結衣が苦しんでたの‥いじめられてたなんて。」

愛華は、泣きながら結衣に抱きついた。

結衣「愛華‥っ‥」

愛華「ごめんね…結衣‥私、と、ともだち失格だ…うわぁーーん。」

結衣「そ、そんなことない‥!」

結衣は、涙をポロポロ流した。

結衣父「結衣が学校でいじめ?」

愛華「‥先生から何も聞いてなかったんですか?今日の朝のことで、もう学校中噂になってます…。」

結衣母「‥結衣、何で言わなかったの?」

結衣「‥‥。」

結衣「とりあえず、3人とも中に入りなさい。詳しいことは、お家の中で聞くから。」

結衣の自宅のリビングに移動する。

晴輝・愛華「お邪魔します。」

椅子に腰をかける。