あいつとはさっきまで俺と話していた。

記憶の中ではっきりと思い出していた。

大きな部屋だった。その部屋にはベッドが数え切れないほどあった。

あいつはベッドの一つに横になっていた。粗末なベッドだった。

俺はそいつを見続けていた。そいつは静かに横になっていた。

脇腹が赤く染まっていた。包帯が巻かれていたが、止まらず軍服に染込んでいった。

あいつは赤軍の戦闘で傷を負った。

俺達は赤軍兵士を追い詰めていた。しかし赤軍兵士の一人が火達磨になりながら、飛び出
してきて味方の一人に抱きついた。

抱きつかれた味方は勢いで地面に倒れた。服に火が移り燃え出した。

「熱いーーー、助けてくれーーーーー」

抱きつかれた兵士は叫びながら地面でもがいてた。火達磨の赤軍兵士はもう動きが見えな
かった。

俺は火を消そうととした。ほかの味方も同じ行動を始めていた。

火達磨のだった赤軍兵士に吊られるように燃え盛る建物中から残りの赤軍兵士達も出てきた。

そのまま敵味方に入り乱れ、白兵戦となった。

火を消す所ではなかった、俺は無我夢中でナイフを振り回した。

赤軍兵士は銃以外に近くに落ちている石や挙句にはバイオリンを振り回した者もいた