「そろそろ来る頃…?」 「………」 「なに、未来透視能力でも持ってるの?」 「あーまぁ、」 歯切れが悪い。 きかないほうがいいのだろうか。 「そっか。」 今まで雲に隠されていた月はなんだか、 泣いてるように見えた。 「今澄くん、泣いてるの?」 「泣いてないよ、ただ、ちょっと目にゴミがね」 嘘つき。 泣いてるんじゃないか。